特定非営利活動法人(以下NPO法人)設立考慮中の方に向けて必要な事項を簡単にまとめてみました。なお、手続きに関する詳細は都道府県によって異なりますし、申請を行政書士に依頼する場合は特に知らなくても構いませんからここに記すことはしません。
特定非営利活動法人(以下NPO法人)設立考慮中の方に向けて必要な事項を簡単にまとめてみました。なお、手続きに関する詳細は都道府県によって異なりますし、申請を行政書士に依頼する場合は特に知らなくても構いませんからここに記すことはしません。
一番押さえておきたい点は非営利と営利です。株式会社などは営利団体です。資本を出す株主がいて、その資金を活用して商売する役員と従業員がいます。儲かれば役員と従業員は給与をもらい、残りを株主に配当として分配します。ここでの注目すべき点として、株主は指1本動かすことなく利益を頂いている事です。いわゆる不労所得です。金だけ出して寝ていたら利益が入る仕組み。これが営利団体です。
これとは逆の仕組みが非営利です。まずお金を出す出資者が存在しません。全員が従業員です。理事長や理事もいますが肩書きだけです。全員で働き、仕事をして儲ける。得た利益から働いた方々に給与を支払う。寝ていてお金をもらう人がいない。これが非営利です。では理事や従業員に給与を支払い、それでも利益が残る場合はどうしますか。営利団体であれば株主に配るのですが、株主がいないので余剰利益は全て翌事業年度に繰り越すのです。こうして毎年繰り越していけば相当の内部留保が貯まることでしょう。そんな事をしても良いのかと疑問を抱く方もいるかもしれませんが、法律でそのように決まっているので気にすることは無いと思います。それでも余剰内部留保はNPO活動で活用出来ます。ドンドン使いましょう。これが非営利です。
NPOの特徴として都道府県や市区町村の管轄があることです。株式会社や有限会社にはそのような管轄概念はありません。その点だけを見ると医療法人や宗教法人に似ているとも言えます。管轄があればそこに毎年活動報告書を出し、役員が変わる、その他諸々の手続きを行う手間が生じます。どうしてもわからない時は行政書士に依頼すれば簡単です。
さてここまで来ればNPOのなんたるかが少しわかり始めたと思います。つまり株式会社とNPOはほとんど変わらないもので、あえていえばNPOの方が少し役所に出す手続きが多いという点でしょうか。ですから株式会社を設立するのと同じ責任感と覚悟をもって臨む必要があります。
よくNPOはボランティア団体でしょう、という方が言います。しかしボランティア団体は任意団体でも社団法人でも設立できます。NPOはれっきとした仕事をして収入を得る法人です。生半可な気持ちで設立すると、後でひどい目にあいます。とても仕事をしながらの片手間で出来る活動ではないでしょう。本業がダメになるか、NPOが潰れるかの1択です。会社を辞めてNPOで起業する、又は退職後に仲閒と仕事を始めるなど、人生の全ての時間をNPOに捧げる気持ちで打ち込めばNPO活動はあなたの収入と生きがいの両方を満たしてくれると思います。
NPOに最適な仕事はやはり福祉系でしょう。老人介護系や障害児福祉などです。株式会社でももちろんできますが、寄付を受け取ったり、補助金や助成金、福祉車両の贈呈を受ける事ができるなど、株式会社とは一線を画するのでやはり福祉系の仕事はNPOに向いていると思います。
これ以外ですと教育系があります。学習塾やパソコン教室、各種趣味の教室がそれに該当するでしょう。このページの一番最後にNPOの事業例を記載しました。参考にしてください。きっとこれなら生涯を掛けることができる、そんなワクワクする仕事が見つかるかもしれません。
なお、その他の法律で別の許認可や指定が必要になることがあります。良く調査してください。
NPOを始めるには最低10人の仲閒が必要になります。その中から理事を3人、監事を1人選びます。理事は特に偉い訳ではなく、全員平等の労働者です。もし偉ぶる人が現れたら総会で首にしてしまうか、理事を2年ごとの交代制にすれば良いでしょう。どうせ理事は2年で全員クビになります。同じ人がまたやっても、別の人に変えて見ても良いでしょう。6年で9人が理事になれます。また理事だから給与がもらえないと勘違いする方もいるようです。理事でも労働者ですから働けば給与をもらう権利があります。逆に支払わないと法律的に罰せられます。注意しましょう。給与は標準的な額であれば問題ありません。時給はパートであれば千円程度でしょうか。福祉系(老人介護又は障害児福祉)なら月額20万~30万程度が管理者の一般的な額でしょうか。一般従業員なら20万円程度。都道府県により若干差があります。
NPOにありがちな問題として、どうやって収入を得るのか不明な訳のわからないNPOがたまに見受けられる点です。寄付をあてにして災害救援のNPOを作ったものの全く寄付が無いので破綻した。そんな事例も多くあります。世の中には似たようなNPOがたくさんあり、個人、企業ともに寄付はそうそう簡単に集まるものではありません。やはりどうやって収入を確保するのか、具体的な方策を十分話し合い、目処が付いた時点で設立総会を開催する方が得策でしょう。
当事務所はNPO設立に関して約20年の実績があります。どうぞお気楽に相談メールをお送りください。
NPOを設立し、仕事が順調になると設立当初と異なる様々な事情が出てきます。それは老人介護で始めたが、発達障害児関係もしたい、又はNPOの名称や本部事務所を変えたいなどです。そのような時は当事務所にご相談ください。
保健、医療 又は福祉の増進を図る活動 |
在宅介護サービス、グループホーム、放課後等デイサービス、児童発達支援、在宅給食サービス、寝たきり老人入浴ケアサービス、ディケアセンター、老人ホーム、点字や手話の教育活動や翻訳、知的障害者のためのディケアや作業訓練所又は共同生活の家、知的障害者のための働く場、福祉用品の改良・開発活動、ホームヘルパーを養成する学校、福祉用品の販売・レンタル、福祉タクシー |
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社会教育の推進を図る活動 | 各種外国語の教育、各種料理の研究会活動、陶芸・手芸・工芸・服飾の講習会、話し方教室、エッセイや小説を書く教室、ビジネスに役立つ各種資格(宅建・簿記等)の学校、日曜大工教室、彗星の観測研究会、岩石の研究会、考古学の研究会、アマチュア無線の研究グループ、パソコンやインターネットの教育活動、子供や高齢者を対象としたパソコン教室、囲碁や将棋の研究同好会、市民の法律教室、レザークラフト振興活動、ガーデニング研究会、各種職業訓練活動 |
まちづくりの推進を図る活動 観光の振興を図る活動 農山漁村 又は中山間地域の振興を図る活動 |
村や町の過疎化を防止する空き家活用団体、地方に伝わる伝統芸能や匠の業の保存活動、温泉の掘削による村おこし、大都市における都市計画の推進と提言活動、歴史的建造物や名所・名刹・巨木などの保存活動、山に木を植えたり花を育てたりする運動、地方独特の文化を全国に発信する運動、自転車道路の整備推進活動、有志による共同マンション作り支援活動、商店街の復興活動、城の再建活動、廃農家を利用した農業、地元の観光案内 |
学術、文化、芸術 又はスポーツの振興を図る活動 |
音楽家や芸術家の育成支援、市民グループによる演劇活動、郷土の歴史や史跡を研究するグループ、古寺や仏像の研究会活動、伝統的な祭りの継承運動、野球やサッカー又はゲートボール等のあらゆるスポーツのチームや教室、茶道、生け花や香道の会、陶芸教室、油絵や水彩、パステル画や墨絵などの教育、、特殊なスポーツを普及させる活動、特殊な楽器を普及させる活動、一般人を対象としたピアノや声楽の教室、ソシアルダンスやフラメンコの普及教育活動、吹き矢や気功教室、ヨガや太極拳の振興活動、踊りや太鼓の教室、ハイキングや山岳登攀グループ、アロマテラピーのグループ、空手や柔道の普及活動、学術研究団体 |
環境の保全を図る活動 | ゴミの収集やリサイクル発電、動物愛護団体、生ゴミの堆肥化活動(堆肥工場など)、希少動物または特定の種類の動物の保存育成繁殖運動、遊休地を利用した市民農園グループ、ナショナルトラスト運動、ケナフ等の栽培普及活動、自転車普及活動、里山の保護活動、森林の間伐材の有効利用を推進する活動、不要品を修理して発展途上国に送る運動、遊休地を利用して公園を整備する活動、環境や体にやさしい石けんを作る活動、環境に配慮した物品の普及を図る活動、風力又は水力発電事業 |
災害救援活動 | 地震や津波及び台風等の災害時における救援活動を行うグループ、災害時の物資の輸送を担うバイククラブ、災害時に通信活動を行うアマチュア無線のグループ、災害救助犬の訓練育成活動、地震等に備える連絡会 |
地域安全活動 | 犯罪や事故を事前に防止するための勉強会、犯罪や事故の被害者救済活動、地震や火災に強い家作り活動、耐震診断を行う活動、損傷して危険な社会基盤を調査報告及び修復するする活動、防犯に役立つ用品の開発や普及、雨水を貯留して有効利用する活動、雪の有効利用を推進する活動、防災マップ作り活動 |
国際協力の活動 | 国際親善活動、国際交流活動(文化やスポーツなど)、外国に対する技術援助、地雷の撤去や井戸掘りを行う活動、学校建設援助、医療援助、食糧援助、難民救済、留学生の受け入れ支援、里親の紹介 |
男女共同参画社会の 形成の促進を図る活動 |
男女間の差別を解消する運動全般、家庭内暴力や子供の虐待予防教育活動、女性の職業差別や会社内の差別をなくす運動、、子育てを終えた主婦の再就職斡旋活動、ストーカー被害者の支援活動 |
子どもの健全育成を図る活動 | 家庭内暴力を受ける子供達の援助施設運営、放棄又は遺棄による子供の人権を保護する活動、児童養育施設、交通遺児や災害及び犯罪被害による遺児の保護支援活動、児童保育、学童保育、引きこもりの少年達の支援活動、サポートスクール、不登校児のためのフリースクール、赤ちゃんの養育支援や相談活動、少年少女のための各種スポーツチーム、幼児を対象とした音楽や英会話教室、不良や非行少年の更生支援活動、自閉症児の支援教育活動、知的障害児童の訓練教育活動、子供の遊具の開発や普及活動、都会の子供達の山村留学制度運動、自然教室活動、科学実験教育活動、子供向けバイオリン教室 |
情報化社会の発展を図る活動 | オープンソースソフト開発普及支援事業。パソコン教室の運営、、ネットワークセキュリティーの開発普及、電子マネー事業、サイバーモール事業、遠隔医療情報事業、ネット利用の出版関連事業、情報技術関連の教育機関、サーバー関連事業、情報規格管理機関事業、電子政府関連 |
科学技術の振興を図る活動 | 自然科学研究会、学術研究団体、生体模倣技術研究支援事業、DNAワクチン開発研究支援事業、バイオセンサー研究、脳研究、遺伝子診断技術支援事業、遺伝子治療支援事業、臓器移植普及支援事業、医療用マイクロマシン開発支援事業、バイオメトリクス個人認証技術開発支援事業、生分解性プラスチック応用支援事業、炭素系高機能材料利用支援事業、微生物応用技術支援事業、環境対応型塗料開発支援事業、環境ホルモン処理事業、超臨界水応用利用支援事業、量子コンピュータの研究、人口血液の研究、再生医療技術支援事業、特殊技術を利用した天気予報事業 、バイオ技術利用の高効率養蚕・野菜・果樹生産支援事業、新技術による海面又は内水面養殖魚支援事業、有用微生物利用食料品製造支援事業、有用微生物利用飼料・有機質肥料製造支援事業、風力・太陽熱・燃料電池発電事業 |
職業能力の開発 又は雇用機会の拡充を支援する活動 |
職業訓練学校、民営職業紹介事業 |
消費者の保護を図る活動 | 商品の安全性検査事業、詐欺等の不正事業者を監視する機関、商品の情報を広く告知する事業、良質の商品が安く提供できる方法を研究する事業、商品の規格を管理する機関、消費者の相談を受ける機関 |